学生の思想を読む

国ではなく国語に住む我々の、思考の差異を追求します。

日本における外国人労働者受け入れの現状と今後取るべき対策について

課題

外国人労働者受け入れを問う』第1章を読み、日本における外国人労働者受け入れの現状と今後取るべき対策について、筆者の考えを400字程度でまとめろ。参考:外国人労働者受け入れを問う 著:宮島喬鈴木江理子

 

本文

外国人労働者等の定住化は社会的コストの増大が懸念されるが、日本の産業を支えるだけでなく、人口減少に悩む日本を支えてくれる住民でもある。そして、彼らを雇用の調整弁として利用するなどといった侮辱的な現在の風潮を払拭するべく、語学研修制度や専門技能等習得の機会の提供を、今後の日本には求められるのである。

 そもそも今回扱う“社会的コスト”とは、政府や企業が外国人を従業員として出迎える際に直面する様々な問題や課題の解決に値する額面のことである。

 宮島・鈴木(2014)によると、技能実習生は、他の外国人労働者とは異なり、家族の同伴や、一定期間を超える滞在が認められていない。つまり、技能実習生は数年で帰国する単身者であり、政府にとっては、定住化に伴う社会的コストの増大を懸念する必要が無い労働者なのだという。

 しかし、この技能実習生制度は一見都合の良いものに見えるが、長期的な視点で見ると負の連鎖に陥る要因でもある。その説明として鈴木(2014)によると、安い人件費を前提とした産業構造を固定化していくこと、しかもその多く若者に敬遠されがちな現業職であるため、結果的にその地元には低賃金の職しかなくなり、それに見切りをつけた若者は都市部に流出し、人口減少・高齢化が加速し地域社会がさらに衰退するという。

 そして、労働者側の立場からすると、その低賃金・低予算に設定した企業の事業の中で更に、雇用環境の改善や技能習得のための機会提供に掛かるコストすらも削減されかねないので、外国人労働者のためにも、そして日本のためにも、今一度国際社会での雇用関係の在り方を見直すべきなのである。(674字)