学生の思想を読む

国ではなく国語に住む我々の、思考の差異を追求します。

情報化社会と犯罪

学んだこと
 インターネットの普及によって、インターネット犯罪やサイバー犯罪が多く見られるようになっている。パソコンやスマートフォンなどのウイルスではなく、インターネットに繋がっているIoT家電が、サイバー犯罪の温床となっている。生活を便利にするウェブカメラだが、この製品を利用をしている家庭で他人に家の中を見られたケースがあった。通常このような製品は個人にわかるパスワードを設定し、第三者に見られないような仕組みとなっているが、プロによる簡単な攻撃で利用者認証が突破されてしまう。製品の内臓プログラムに欠陥があること、つまり製品の脆弱性は利用者にはわからないため、注意が必要である。
 脆弱性がないしっかりした製品なら安全か、という問いは一概に正しいとは言えない。使っているユーザーの使い方によっては、製品のセキュリティだけでフォローしきれない部分がある。また、国内外のインターネットに接続されたパスワードを設定していないカメラの映像を公開しているサイトがある。これはパスワードを設定していないカメラの映像を公開すること自体は犯罪にならないため、犯罪とはならないが、知らず知らずのうちに街中のカメラの映像がネット上に公開されている可能性を見ておく必要がある。
 米国のIT企業ダインにDOS攻撃が行われ、サーバーが停止する大規模犯罪が行われた。この攻撃はウェブカメラ、プリンター、ルーターなど世界中のIT機器を乗っ取り行われた。そこで、ハニーポッドを設置し対策が行われ、乗っ取りを行おうとする攻撃は一秒間に数百回の頻度で行われていることがわかった。Miraiと名付けられたウイルスは、セキュリティの弱いIoT機器のみを攻撃しようとするウイルスであることがわかった。ドイツではこれまでウイルスに狙われたことのない家庭用の機器にまで被害が及んでおり、日本でもその可能性が出てきたことで、現在対策が考えられている。
 前述したMiraiウイルスは名前が日本語の「未来」と考えられるが、このウイルスの作成者が日本人であるとは限らない。また、通常ウイルスの作成者を特定することは難しいが、すでに未来ウイルスの作成者はネット上にそのプログラムを公開している。これによってさまざまな人がウイルスを改変、改良し、より凶悪なサイバー犯罪を生む要因となってしまう。
 フィンランドでは、建物を遠隔管理するシステムが何者かにサイバー犯罪され、止まってしまった。特定個人ではなく、国全体にむけてのサイバー犯罪攻撃である場合、インターネットに接続されているインフラまで被害を被る恐れがある。2012年に行われたロンドンオリンピックでも、開会式中にサイバーセキュリティの恐れがあり、厳戒態勢が敷かれていた。当時のサイバーセキュリティ責任者は、2020年の東京オリンピックにはより大規模なサイバー攻撃が行われる可能性を危険視している。インフラ施設などに攻撃が行われると、社会全体に混乱をもたらしてしまう。その防衛手段は現在調査中である。
 サイバー犯罪に巻き込まれないためには、製造業が悪用されることを想定して安全性の高い製品を製造すること。一般の利用者もサイバー犯罪に巻き込まれる可能性があることの意識を見直すことが大切である。


考察
 IoT家電は若い世代を中心に、その便利さから普及しているがその利便性に伴ってリスクも大きい。エンジニア業界では保守・運用は縁の下の力持ちと形容されるが、ITに疎い利用者にとって、その概念が通用するかと言えば疑問である。様々な機器がインターネットに接続されているが、それぞれにセキュリティをかけているほど、意識が高いとは到底思えない。セキュリティの重大性は、実際に被害を受けた時に痛感することになるが、被害を受けた時ではすでに遅いのが実態である。
 ではサイバー犯罪の増加に対して、我々はどのような対策を取る必要があるのだろうか。動画でも言われていたが、それぞれの意識を見直すことで、サイバー犯罪についての知識を付けることだ。IPAのホームページでは、最新のコンピュータウイルスやサイバー犯罪についてのレポートが随時公開されており、ここでセキュリティについて学ぶことが出来る。他にも情報セキュリティマネジメントの受験をすることでセキュリティについてのリテラシー向上を図ることが出来る。こういった機会に触れさせることを推奨することが今後の我が国のセキュリティ意識を底上げすることが出来るだろう。