学生の思想を読む

国ではなく国語に住む我々の、思考の差異を追求します。

世界の言語を概観する

-「外国語」って「英語」のこと?

 世界では様々な言語が話されており、そのなかでも英語は世界標準語として多くの人に話されているが、実際に外国語として扱われる言語は世界に様々である。

 ヨーロッパの国々ではどんな言語が話されているかというと、ラテン語から分かれたイタリック語派が話されており、ロマンシュ語とも言う。ヨーロッパでは多くの人が2~3ヶ国語を理解できるとされているが、それはラテン語がヨーロッパの言語の起源であり、そこから派生したためである。

-世界の言語の分類

 世界にいくつの言語があるかというと、2006年のユネスコの統計によると6900言語(世界総人口約65億3800万人)、2020年では7117言語(世界総人口約77億人)あるとされている。このうち、絶滅の危機に瀕している言語は2009年では36%に相当する2500言語、2020年では41%に相当する2926言語あるとされている。

 このうち、いちばん多くの言語が話されている地域はヨーロッパだと思われることが多いが、2020年の統計ではアジアの2269言語であり、これは全体の32.8%を占めている。続いてアフリカの2092言語で30.3%、環太平洋諸国の1310言語で19%、南北アメリカの1002言語で14.5%、ヨーロッパの239言語で3.5%となっている。このことから、一番多くの言語が話されている地域はアジアである。

 一番話し手の多い地域は、2020年の統計によるとアジアの39億8000万人で52%である。続いてヨーロッパの17億2000万人で22.3%、アフリカの8億8700万人、以下南北アメリカ、環太平洋諸国と続く。

 一番多くの言語が話されている国は、2020年の統計によると、パプアニューギニアで840言語が話されている。続いてインドネシア710言語、ナイジェリア524言語、インド453言語、アメリカ合衆国335言語、オーストラリア319言語、中国305言語、メキシコ292言語、カメルーン275言語、ブラジル228言語と続く。

 一番話し手の多い言語は2020年の統計によると、English12億6800万人、Mandarin Chinese 11億2000万人、Hindi 6億3700万人、Spanish 5憶3800万人、French 2億7700万人、Standard Arabic 2億7400万人、Bengali 2億6500万人、Russian 2億5800万人、Portuguese 2億5200万人、Indonesian 1億9900万人、Urdu 1億7100万人、Standard German1億3200万人、Japanese 1億2600万人、Swahili 9900万人、Marathi 9500万人、Telugu 9300万人、Turkish 8500万人、Yue Chinese(広東語)8500万人、Tamil 8400万人、Western Punjabi 8300万人、Persian 7000万人となっている。

 世界人口のほとんどが話している言語は、世界の言語7117語の3.8%に相当する272言語が、世界人口の96%によって話されている。つまり、世界の言語の96%に相当する言語は、世界人口のわずか3.6%の人によってしか話されていない。消滅危機言語とは、話者の数が1000人以下の言語とされている。言語が滅びることは文化が滅びることに等しい。

 

 ラテン語から分かれたロマンス語を比較すると。スペイン語ポルトガル語、イタリア語、フランス語の単語はほとんどの場合において似たような文字列になることがわかる。しかし英語はこれらの言語と比べると全く形が異なるが、例えば”tradition”のような学術用語は英語を含めて似通ったものになる。また、「私は学生です。」のような短文においても、これらの言語はすべてSVOの順に文法が確立されている。