F.テーラー「科学的管理」
F.テーラーによる課業の科学的決定のプロセスとその歴史的意義について述べよ。
作業研究、作業の標準化、 課業の科学的決定、熟練の企業への移転、作業と管理の分離という言葉を入れること
F.テーラーによる課業の科学的決定のプロセスとその歴史的意義について述べよ。
作業研究、作業の標準化、 課業の科学的決定、熟練の企業への移転、作業と管理の分離という言葉を入れること
テーラーによる課業の科学的決定は主に3つのプロセスによって行われる。
一つ目は作業研究を行うことで、管理者がストップウォッチを用いて、最速の作業時間を発見することである。この作業は二つの手順を踏まえて行われる。まず作業の要素を分解し、それぞれの時間を測定する。次にそれぞれの要素で掛かった合計時間に余裕時間を加える。それぞれの要素間に余裕時間が加えられるのは、労働強度の増加を抑えるためだと考えられる。
二つ目は作業の標準化で、最も速かった作業条件を採用することである。作業条件は、道具、機械。部品、原材料などを要素別に変え、その作業方法を含めて測定する。
最後に、管理者が課業の科学的決定を行う。最も早いと判明した1個当たりの時間を標準作業時間、つまり課業として決定する。
課業の科学的決定の実現は、作業にあたる人材が適材適所に置かれることを前提とされる。これまでの内部請負制の雇用システムと、徒弟制の教育システムだと、計画、管理、実行のプロセスに非効率なバッファが多かった。移民によって国民が形成される当時のアメリカにおいて、母語を英語としない人種、熟練の技能を持たないが多数を占めていたため、特に顕著であった。マニュアルがあれば言語を介さずとも一定の生産性を出すことが出来る効率的な体系、それが作業と管理の分離である。
熟練の企業への移転を進めることは、熟練にとって不利な条件が与えられるなどの様々な要因から、好ましいものではなかった。
それは、科学的管理法における利点が明るみになっていなかったためであり、この成果により、労働者にとっての条件が良くなると次第に受け入れられていった。