学生の思想を読む

国ではなく国語に住む我々の、思考の差異を追求します。

インターネット開発の背景と経緯

学んだこと

 クローズアップ現代「何が起きる?”モノのインターネット”革命」

センサーや通信機器の小型化によって、食べ方のクセを検出するフォークや建設現場のショベルカーに自動的に指示を出すなど、あらゆるものがインターネットにつながることで、人間の動きや社会の動きが効率化される。

 大手建材メーカが手掛ける、実際の家を使ったモノのインターネットの実験をしている現場では、家中に仕掛けられたセンサーによってさまざまなデータを収集している。どんな生活によって具合が悪くなるかといったデータを集めることで、建材メーカーだけにとどまらない、世の中への貢献につながる。一つの家だけでなくより多くの家からデータを集めて分析することで、人々の生活そのものを変える機会となる。

 土木工事の建設機材の稼働時間や稼働数から、セールスの重点地域を絞ることが出来る。必要な機材の数や時間も、熟練なオペレータでなくても正確な試算を行うことが出来る。さらにアメリカ、ニューヨークのGE社では、自らをソフトウェアとデータ分析の会社と呼ぶようになった。GE社の提案する最も効率のよい飛行ルートを採用することによって、台湾の航空会社では燃費のよい飛び方を出来るようになり、会社の利益も上がった。GE社によると、データの使い方を顧客に提供することによって5年後に勝者となる。

 東京大学先端科学技術研究センターの森川さんによると、ゴミ箱などの地味なところからデータとの接続が始められている。データの売り方はサービス化という顧客に対して売りっぱなしではない提供になってゆく。モノを売るだけでは様々な人が同じ製品を作ることが出来るようになってきたので差別化が出来ない。サービス化によって顧客を囲い込むことが必要になってくる。人間と機械の関係が変わってくると違和感を感じるようになる指摘がされている。すべての分野にIoTが入ってくるので、そこにこれまでにない新しい職業が生まれてくる。

 欧米では激しい覇権争いが起こっている。大手電機メーカー、シーメンスは個客一人一人の好みにあった香水を作る技術を確立した。ドイツではインダストリー4.0の規格を標準化し、さらに世界標準とすることを目指している。メルケル首相はEUで進めることでさらなる成長を見込めると発表した。

 アメリカでも世界標準をつくる動きが見られ、日本の大手メーカー5社もアメリカに乗り遅れないように立ち上がった。統一規格を海外に独占されてしまうと日本の国際競争力が大きく損なわれるリスクとなる。GEは集まる場を作ろうとしている。多くの人が使えるプラットフォームを作ることで、円滑なやり取りが出来るようになり、様々な価値が創造される。そのプラットフォームの核を作ることをドイツやアメリカは競っている。日本の企業はそれぞれの技術力が高いが、集まる場を持っていないが、オープン化による企業秘密の露呈をリスクと捉えている。アメリカもドイツもアドバルーンを上げている状態であり、日本は様子見といった動きを見せている。

 我々の身の回りには多くのデータがあるので、どのように使ってゆくか考えていきたい。



考察

 ユビキタス社会の実現はインターネット黎明期の十年以上前から言われており、近年その実現に向けて様々な機器が市場に出回っている。多くの製品はそれ単体で動き、動画で言われているような高度な情報機器の連携は実現に至っていないように思われる。スマートフォンの出現と普及によって、これまで音楽を聴く、スケジュールを管理するといった様々な活動が、一つの端末に集約されてきた。生活が便利になることは我々の生活を変えているが、それにより得られる効用は必ずしもいいことだけではないことを考えたい。動画内でも、効率的な選択が出来るようになると言われていたが、効率的であることだけが生活する上での正解ではないと思う。機械による効率的な選択が本当に必要なのか、考える力を人間が身に着けることがこれからの社会では必要だと考えられる。