学生の思想を読む

国ではなく国語に住む我々の、思考の差異を追求します。

情報システムの利用形態

学んだこと

 ユビキタスネットワーク技術の確立によって、いつでもどこでもインターネットに接続できる社会が構築されようとしている。第五世代の携帯電話になると、電話線のみで光回線と同じくらいの通信速度が実現する。電子商取引(eコマース)はm(モバイル)コマースとなり、パソコン以外の端末からも取引が可能となった。携帯電話で家具を操作することや、固定電話の子機として使用することも可能となった。

 クラウドコンピューティングはインターネットなどのネットワーク経由でユーザーにサービスを提供する形態で、SaaS、PaaS、HaaS(IaaS)などがある。それぞれソフトウェア、プラットフォーム、インフラをネットワーク経由で提供する。グーグルドライブなどがHaaSに該当する。これらのクラウドコンピューティングの仮想化技術を提供するものをクラウド基盤と呼ぶ。Iotに必要な技術はセンサー、ネットワーク、クラウド基盤、低コスト・低消費電力で広範囲をカバーする通信技術などがある。クラウドのメリットは管理する手間を省くものである。現代では一人一台のコンピュータではなく一人複数のコンピュータや大量の情報を扱うことが多いため、管理が大変である。

 クラウドにデータを集中させると処理の遅延や通信量が膨大となるため、現在では分散するエッジコンピューティングの利用が進みつつある。運転などのリアルタイム性が求められる場合に強みが発揮され、限定した情報を扱うためセキュリティ確保やプライバシー保護にも有用である。

 平成に入ってからの25年間での国民医療費が倍増している。65歳以上で全体の医療費の6割近くを占めている。そのためIoTを利用して医療費を抑制しようとする動きが各社で見られるようになった。他にも金融とのフィンテック、農業とのアグリテック、教育とのエドテックなど、テクノロジーと他分野の融合を〇〇テックと表現する。決まりきった仕事を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による業務効率化の試みも近年注目されている。単純な作業の繰り返しでも業務品質が向上するたけでなく、生産性も向上するソフトウェアである。

 

 2/1 2017 NHKクローズアップ現代+「急増中 ネット・ワーカーの実態に迫る」

 2030年、働く人の8割はフリーランスになると言われている。長時間残業や介護の増加により働く時間に制約のある人にフリーランスが広がっているが、その実態は価格破壊や使い捨てといった問題がある。

 誤った情報の記事を書いたことによるまとめサイト問題は、雇用契約を結んでいないフリーランスが起こしたものがあった。仲介サイトからの仲介料とネット記事のファクトチェックにより記事の執筆に時間がかかり、結局給料は低い労働になっている。平均より高い水準を持っているエンジニアにとっては良い契機となるが、受注した案件の納期直前の仕様変更などがあるため、生存競争は厳しい。仲介サイトから引き受けた案件を自身が利ザヤをとりさらに孫請けに流す構造が存在している。海外ではウーバーやアマゾンといった個人が業務の一部を受け持つ働き方について、説明と違った働き方をさせられることに市民の怒りが爆発している。労働組合がない世界なので、働く側が知識を付け、会社の方に自分たちの要望を訴えていくことが必要となる。しかしこれは自由を求めるフリーランスにとって競争に勝ちにくい。仕組み自体は悪くないが、会社側、仲介側、労働者側それぞれに変わるべきものがある。

 

考察

 情報の技術は進歩しているが、技術を扱う人はその技術を使いこなせていない気がする。つまり、人類に今の技術は早すぎるのではないかと問いたい。日本では識字率がほぼ100%となっているが、その割に近年は日本語が通じない人が多いように感じる。英才教育やダイバーシティの一環で小学生それ以前から外国語に触れさせるのは結構だが、そのために母国語がまともに話せない。外国語が出来ても外国の文化をいい意味で取り入れられない企業が多いために、この国ではスティーブ・ジョブズは生まれなかった。一時期世界経済でもトップを走ったこの国が、今ではガラパゴス国家と呼ばれるようになったことを恥じるべきだと思う。筆者の考える必要なものは技術でも国際交流でもなく教育だということをここで述べておきたい。講義内動画であったフリーランスの問題が、すべからくどの組織もまともな対応が出来ていなかったことに起因する問題は、教育によるリテラシーの底上げで解決してゆくしかないだろう。教育は万能ではないため、必ずしも解決するとは言えないが、抜けられる法制度や天下り目的の政府介入はかえって状況を悪化させるだろう。